9.私のヴィーガンの食事メニュー
動物性食材を使わずに満足するような食事が食べられるのか疑問に思う人が多い。
もちろん肉には強い旨味がある。いくら大豆ミートを使用しても、肉の脂の旨味にはかなわない。
だからうちでは昆布や椎茸をベースにして味に工夫をしているのだが、いくつか紹介しようと思う。
ちなみに江戸時代に「豆腐百珍」という料理本があったらしい。豆腐を使った100種類の料理のレシピ本である。1782年に刊行されたその本は、当時 今でいうベストセラーとなり、現代の料理本のさきがけになったそうだ。現代ではその「豆腐百珍」が復刻版として著者が実際に作って評価している本が売っているのでリンクしておく。
動物性食材を一切使わないヴィーガン食には豆腐や大豆ミートは欠かせない。
これからの時代は「大豆ミート百珍」という本が売れるかも知れないなぁ。
ということでうちのメニューを一部公開します。
そうそう。糖尿病が改善したので、ビールも解禁しているのです(笑)
右下のは2個食べてから写真を取り忘れた事に気付いてその後撮ったので食べ掛け。大豆ミートの梅しそ。
梅は塩だけで作られた昔ながらの梅干し。この梅干しを探すのは今や難しい。
これは、セブンイレブンで売っている「豆腐バー」を鳥肉に見立てて、そうめんの上に置いている。
という事で、結構量は満足いく程 食べている。
だから間食をすることも無い。
カロリーは計算していないし、砂糖も使っている(気休めに「きびとう」を使用)。そしてお腹いっぱいになるまで食べても糖尿病の数値(HbA1C)は6.0まで下がった。これはまだ下がると思っている。
まぁけれどやはり、肉のように適当に焼くだけでは済まないのが面倒だ。
ヴィーガンになる前は、業務用スーパーで豚肉と冷凍玉ねぎ(スライス)や生姜おろしを買ってきて、それを適当にフライパンに入れて味付けして焼けば、5分もかからないで完成するような料理をしていたが、野菜だけで料理をするのは大変だ。だからうちでは休日にまとめて作って、真空保存するようにしている。継続する為には工夫が必要であると思う。
8.なぜヴィーガンで糖尿病が改善するのかを考える(2)
前回からの続きです。
もうひとつ、私が影響を受けた映画に「what the health」というドキュメンタリー映画がある。
これも今はNetFlixで見ることが出来るのだが、動物性食品と糖尿病との関係についてピンポイントで切り取られた部分がYoutubeに上がっていたので貼っておく。
ようするに、動物性の脂が血管の内側や細胞壁に膜を張り、糖が細胞へ入り込む事を阻害するという。結果的に細胞に入れなかった糖は血中に残り高血糖の状態になるという。
私はこの事について半信半疑だった。何故ならそんな事は今まで聞いた事が無いし、医者からも聞かされていない。
確かに今まで「中性脂肪」や「コレステロール」は高かったが、病院ではこの数値は気にされなかった。
振り返れば、5年前に中性脂肪が1560という時があったが、その2ヶ月後の検査でHbA1cが13.6になった。そして入院するわけだが、退院後の中性脂肪の値はいつも300~350くらいで高い。(正常値は150以下)
だがこの時は病院では糖尿病との関係性があるという結論には至っていない。「中性脂肪は前日の食事が影響するからね」とあまり注意されない。一応、高脂血症を緩和する薬「リバロ」を処方して終わり。
だがこの映画の話が本当なら、糖質制限をしていても血糖値(ヘモグロビンA1C)が良くならなかった原因は、動物性食品だという事になる。
また繰り返してしまうが、人は他人の食生活の詳細までわからない。
今までの栄養指導では「生姜焼定食」や「ハムエッグ」とカレンダーに食事内容を記載して渡していてもご飯は多くを食べていなければ糖質制限できていると私も病院も思っていた。一応私は「蛋白質は気にして多く摂取するように心がけている」というと、病院からは腎臓の為には蛋白質は取りすぎない方が良いとか、野菜をもっと取るように とは言うが、一度にあれもこれもは出来ないわけで、腎臓はまだ危険な状態ではないのだから「まずは血糖値をさげよう」となり、今までの食生活をしていた。
だがこの映画の話が事実なら、制限すべきは動物性食材である。
この「動物性食品を食べることで血管や細胞に膜を張り…」の話は糖質だけではなく、塩分やプリン体でも同じ作用が起きるだろう。本来ならば細胞に運ばれるべき栄養素が行き場を無くし、血中に漂い続けて内臓や血管にダメージを与える。
つまり高血圧や通風の原因も動物性食材なのかも知れない。
卵とかバターやチーズなどの乳製品も駄目だ…
こうして私はヴィーガンを実践することを決意し、そしてに3ヶ月でHbA1cを6.0にまで下げることに成功するのである。
このHbA1Cというのは意外にやっかいで、食生活を変えてもすぐに数値に現れず、2ヶ月後に現れる。だからヴィーガンを始めてもすぐには結果が出ない。最低でも2ヶ月は結果が出るまでかかる。
だが中性脂肪やコレステロールの数値は前日の食事が影響するくらい即時である。
ちなみに中性脂肪が1500以上になるのに、では前日にどれほど肉を食べたのかと疑問に思うかも知れないが、毎日消化して下がるものが下がりきっていなくて、その状態で食事を取って上がると積みあがる。これは何でもそうである。血糖値や血圧も前日の未消化分が繰り越されて積みあがると高くなる。
私はどうもアバウトな話が嫌いである。糖質をなんグラム以内とか塩分をなんグラム以内とかカロリーをなんkcal以内とか言われても、1ミリも狂いなく計れない事をやりきることは出来ない性格である。
「糖分のあるものは飲み食いしない」という割り切った事が好きである。だってチョコレートやケーキは食べなくても生きていける。
そういう性格なので今度は徹底的に動物性食材をやめてみた。
前回の記事にも書いたが、「The Game Changers」の映画の話も本当ならば、動物性の食品を摂取しなくても強いアスリートになれるのだから動物性食品は不要だ。
パンを買うときも原材料にバターや牛乳が入っていない物を選び、出汁も鰹節やイリコでさえも拒絶した。
こうして私の細胞壁に付いた脂は、まるで油ぎったスポンジを洗剤でシュコシュコと洗うように次第に落ちていき、体調も良くなった。
上記の図は正確ではないが、だいたいこのようなバランスだろうと思って書いた。
一応、蛋白質の色は動物性と植物性で色の濃さを変えて表現している。
たんぱく質は植物性で摂取し、野菜は葉物、根菜、ナスやキュウリなどの「なり物」、ネギ類、芋類、キノコ類、ナッツ類(ピーナッツ、アーモンド、くるみ、カシューナッツ)、海藻(ひじき、昆布、ワカメ)、アボカドなどスーパーで旬な食材を買い、和食を中心に、たまにパスタや大豆ミートを使ったサンドイッチ等を食した。
油も植物性ならOKだし、炭水化物や糖質は普通に食べた。
ケーキやシュークリームは乳製品が入っているので拒絶したが、大福や草餅は(糖尿病では本来NG)、念のために原材料にバターなどが入っていない事を確認した上で食べた。
余談だが、塩分を気にしてラーメンのスープを飲まない人が多いが、ラーメンは店主がスープにこだわって作っているのに失礼な話だと思う。
スープを飲まないのであれば、そもそもラーメンを食べない方が良いと思う。
例えば、ヴィーガンでも「煮物」について塩分を気にしていたとしても、つゆまで飲み干すのかどうかによって摂取する塩分量は異なるし、この1回の食事で鍋から取り出したこの煮物にどれだけ塩分が入っているのかなんて正確には分からない。
だから減塩醤油とか気休めで「やってる感」で過ごしてしまう。頑張ってるのに良くならないのは、向いている方向が違うと考えた方が良い。
食べるか食べないかという方が分かりやすい。ここまでは食べて良いとというような1ミリ単位で線引きできないアバウトなのは私には続ける事が難しい。
つまり、動物性を一切食べないというヴィーガンの方が思考は簡単なのである。
けれど私ほど、糖尿病をこじらせた人間でなければ、週に1度くらいはラーメンのスープまで飲み干しても良いんじゃないかと思う。
だって毎日3食 食べるとしたら、週に21食あるんです。1回くらい無茶しても、それは総量の5%以下の無茶なんですよ。
皆さんは自分の体調をみながら試しても良いと思うけれど、一度でもヴィーガンの効果が数値で見えると、動物性を食べる気がなくなると思うけどなぁ。
私のこの結果は事実なんです。
運動した訳でもなく、本当に動物性食品を食べなかっただけで改善したのだから。
7.なぜヴィーガンで糖尿病が改善するのかを考える(1)
長くなりそうなので、2回に分けて記述します。
これはヴィーガン系の海外映画を見て、そこで言われていた話だが(出どころは失念した)、例えば、学級に1人だけ成績の悪い生徒がいた場合「この子に問題がある」と考えるだろう。だがもしクラスの10人以上の生徒の成績が悪ければ「教育環境に問題がある」と考えるのが自然だろう。
それと同じように、今の日本の糖尿病患者数はその予備軍を含めると1000万人を超えると言われている。同様に高血圧性疾患や脂質異常症や通風患者も年々増加している。
これ程までに後天的な基礎疾患者数が増えていても、まだ「食べ過ぎだ」とか「遺伝でしょ」とか「糖分や塩分の取りすぎ」と患者の問題にして済ませてしまって良いのだろうか?
私を含め基礎疾患のある人はそれなりに食事を気にしている。しかも通院して現代の医学の薬をもらっている人も多い。それでも病気が改善しないのは何故なのか。
医師や栄養学の専門家は「食べ過ぎなんだよ」と入院食のようなカロリーとバランスを理想として、そういう食生活をしなさいと強制する。そしてそのような食生活で糖尿病が改善した人が多いからその信念を曲げない。
だから問題の根本が動物性食材である事に気付かない。
人は他の人と一緒に生活しない限り、他人の食生活との違いに気付く事がない。
基礎疾患が無い人は昔の日本人に近い食文化(野菜の煮物とか)なのかも知れない。
だから問題が起きていないし、正常な人は、糖尿病が個人の問題で「糖分やカロリーの取りすぎ」と簡単に考える。
成人病にかかっていない人は、私がまさか毎食 動物性食品をバランス過多で口にしているとは思っていないからである。実際に私も、まさか毎日毎食「煮物」とか「漬物」とか「煮豆」を食べている人がいるとは思っていなかった。
だって煮物の料理店とか見た事が無いものね・・・。
それは良く考えたら毎日野菜の煮物や豆を食べていたら、外食の際に煮物を食べようなんて思わないから、外食では売れないのよ。
まぁ一応、遺伝とまでは言えないが、親が作る食事の好みを食文化と考えれば、それが継承されて、親が糖尿病なら子供も糖尿病になる確率が高くなり、「遺伝の問題」のように見えるのかも知れない。
戦後急速に経済成長した日本は欧米の生産性の高い仕組みを取り入れて、畜産や食肉加工の業界を成長させてきた。それに伴い、新鮮な肉や卵や乳製品や魚が手に入るようになる。もちろん人類の歴史上、昔だって肉や魚を食べなかった訳ではない。だが昔は新鮮な肉が手に入りずらかったから必然的に野菜や穀物や果物中心の食生活をしてきたはずだ。肉はたまに食べるご馳走。それを毎食毎日食べていたらいけないということだ…
成人病という現代に急速に増えた病気は個人だけの問題ではなく、環境にも問題があるのではないか?と考え方を変える事が必要だ。肉は安く簡単に手に入り、たんぱく質が手軽にとれ、しかも今や用途に合わせてカットされていて、塩コショウだけでも美味しく食べられ、ソーセージなどは茹でるだけでも美味しく食べられる。
だから夫婦共稼ぎ時代の、料理に時間を掛けられない家庭では重宝されてきたし、流通が容易になったからレストランでも扱いが多い。
逆に野菜だけで美味しい料理にするのはとても手間がかかり難しい。
成人病で悩んでいる人は、「食肉至上主義。肉こそ男の食べ物!たんぱく質の摂取には肉!」という考えを少し見つめ直してみてほしい。
健康診断で血圧や血糖値や尿酸値について引っ掛かった人は、ヴィーガンとまでは言わなくても、私ほど体が悪くなる前に野菜を意識して摂取するだけでも改善すると思う。
皆、歳をとると体質が変わって若い頃のようではないのですよ。それが成人病。
私も一昔前なら動物性食品が問題なんて信じなかった。
私の様に崖っぷちまで追い込まれないと気付かない。
だが動物性の食材を使えば、男らしい料理が出来上がるから、男性の料理は肉を使う事が多い。
この「男らしい」というのも刷り込まれてしまったイメージである。バーベキューで直火で肉を焼いたりするのはいかにも男らしいし、人気のスポーツ選手が肉を頬張るCMの姿には憧れる。
前にも紹介したドキュメンタリー映画「The Game Changers」の中では、以下のように説明している
1.人間は元々肉食動物では無い
・人間の歯は食べ物をすり潰して胃に入れる構造の為、肉を引きちぎって食べるのには無理がある。
・腸の長さが体長に比べて肉食動物は短いが、草食動物は長い。人間の腸の長さは草食動物に近い。(まぁ私が思うには人間は雑食だとは思う)。
・肉食動物は2原色で見ていて、草食動物は3原色で見る目の構造になっている。
これは3原色で見る事により、果実や野菜の成熟度合いを色で判断する事ができるからとの事。
遺跡から剣闘士の骨の一部を採取し、骨の中のカルシウム中のストロンチウムの量を分析すると当時の食生活が分かるらしい。分析の結果、約2000年前にトラと戦ったりしていた剣闘士の多くは、草食だったらしい。
3.現代でも多くのアスリートが採食に切り替えて、成績を上げている。
映画の中で一流のアスリート達が、菜食の「効果」と「実績」を雄弁に語っている。
選手のジャンルは驚くべき事に、挌闘家、ランナー、サイクリスト、アメフト選手、ボディビルダー、リフター、と多岐にわたる。
私はこの姿を見て、草食でこんなにパワーが生み出せるなんて!と驚いた。
4.動物性食品を食べると肉体のパフォーマンスが落ちる理由を科学的に説明。
動物性食品(脂の無い鶏肉のササミでも)を摂取すると血管の中が濁り、血管の収縮がうまくできない。その結果酸素を細胞に送る力が弱くなり、アスリートのパフォーマンスが落ちるという。
5.筋肉を作るのに動物性タンパク質は必ずしも必要では無い。植物からタンパク質は合成できる。
豆やナッツには豊富に蛋白質があり、植物性の蛋白質の方が効率が良いという。
6.筋肉を動かす為には糖質が必要であり、タンパク質ではない。
と、これ以上この映画の内容を明かしてしまうとネタバレと怒られてしまいそうなので、この辺りでやめておくが、自分はこの映画を見て「本当なのか?」と半信半疑であった。だが前回でも書いたように糖尿病の食事療法について限界を感じていた私は、試しに次回の血液検査までヴィーガンを取り入れてみようと思ったのである。
そして毎回の血液検査でヘモグロビンA1Cの数値が下がってきて確信するのである。、「この話は本当だ」と・・・。
6.ヴィーガンで糖尿病が治った話
ヴィーガンのこれまでの私のイメージはネットでの噂だと「肉を食べるな としつこい」「自分の考えを押し付けてくる」とうるさがられているのは知っていた。まぁ私もブログでヴィーガンの勧めを書いているので「うるさい」と思われるかも知れない。
たが過去に「地動説と天動説」で思想の分断が起きたように、昔は太陽が地球の周りをまわっていると信じていて、地球が太陽の周りをまわっているなんて話は誰も信じなかった。私も含め間違った認識に気付いたら言いたくなるのが人情である。今では誰も地球が太陽の周りをまわっている事を正しいと思っている。
私は常時血糖値を測定する「Freestyle リブレ」という物を使っている。この「リブレ」については別途説明するが、簡単にここで説明すると、腕の上腕の裏等にセンサーのパッチを張っておくと、血糖値を常時計って記録してくれて、後でグラフで見ることが出来る装置である。
で、この「リブレ」を使って血糖値の状況を見ていたら、ヴィーガン食を続けているとグラフが落ち着いてきたのである。
これはそれぞれ約1ヶ月間の日別の数値をサマリして表示したグラフである。
横軸は時刻、縦軸は血糖値であり、日毎に見た際に何時頃に血糖値の状態がどうなっていたかを見る事が出来る。
【ヴィーガンを始める前】
【ヴィーガンを始めてから】
グラフの実線はその期間での平均値である。その周りに濃いブルーと薄いブルーがあるが、出現頻度によって色分けされて表示されている。つまりグラフのブルーの帯が少ない方がグラフの実線に近い状態が続いていた事を示し、ブルーの帯が太ければ、「こんなに高い時も多かったよ」という見方であろう。
目標数値として、下は70 上は180 の目盛り位置に黒い実線が横に引かれている。この範囲内に収まっていれば「血糖コントロールが上手に出来ていますよ」と判断できる。
ヴィーガン食にしてから、あきらかにこれまでよりも糖質は摂取しているのだが、血糖値の状態は改善している。
本当に動物性食品を食べないようにしていただけである。逆に炭水化物は気にせずに食べた。
今まで糖質を我慢していたのが間違いだったのである。我慢ずべきは動物性の食品だったのだ。
私が完全にヴィーガン食に切り替えて約3ヶ月、とうとうHbA1cの数値が6.0になった。そして糖尿病の治療薬(血糖を下げる薬)が不要になり、インシュリン注射も無くなった。
※使用していると低血糖症状が起きるかもしれないという理由。
また、私が完全にヴィーガンになろうと決断したのには、もう一つきっかけがある。
ドキュメンタリー映画「The Game Changers」というのがあり、今はNetflixで見れる。
公式トレーラーを貼っておくので、興味があれば是非。
今まで苦節15年…。いろいろな事を試した。糖質制限したり、酒もビールやワインは飲まず蒸留酒だけにしたが、逆に蛋白質は必要だと言い聞かせて肉を多めに摂取していた。
だが、それは間違いだった。この映画を見て驚いたが、肉を多く取る事によって人体には悪影響があったなんて…。
そして私は極端に肉を食べない生活をしてみた。
肉だけでなく魚や貝類、卵や乳製品も摂取しないようにした。
それがヴィーガン。
検証の為に動物性食材以外は制限なく摂取し、糖質制限もカロリー制限もしなかった。
そうしたら糖尿病が治った。つまり私には動物性の食べ物が諸悪の根源だったことが証明されたのである。
常識がひっくり返った。ホントに肉を食べなければ良いだけだったなんて…。
まさに「天動説と地動説」くらいの衝撃的事実。
これは今まで栄養指導や糖尿病の先輩方からも聞かされていない。いまだにこの話を周囲にしても信じる人は少ない。
15年前に戻ってあの頃の自分に伝えたいけれど、でもきっとあの頃の自分は信じないんだろうなぁ…。
けれど、これは私の体で実際におきた事なのだ。
5.ヴィーガンとの出会い
2021年2月末頃、コロナ禍により仕事ではテレワークが続き、外を歩かない事もあり、また便秘になってきた。「やっぱり野菜を取らないとなぁ」と思い、UberEatsで検索をしていたら近所にヴィーガン料理の店を見つけた。私の周囲にはヴィーガン信者はいないが、ベジタリアン的な考えだろうから野菜を美味しく食べる方法を知っているでしょう…と思い、UberEatsでヴィーガン料理を注文してみた。
で気に入ったので連日注文してみると便通が良くなってきたので「やっぱ野菜不足なんだな」と思った。
そしてもっとヴィーガンについて知りたいと思い、休日に店に行ってみることにした。
千葉市中央区にある「Cafe 369」という店である。
まぁ外観はいかにも女子が気に入るような可愛い感じでオッサンの私は入りにくいが、勇気を出して入店してみた。
肉や魚、卵や乳製品も含めて動物性食材を一切使わないという完全菜食主義のヴィーガン。
今までは「新たな宗教かな」という偏見があった。
だが単に、食べる人の健康を願う心優しい女将さんが料理を作っている店である。
ハーブティーは体調に合わせて調合するとの事で、「体の調子が悪いところは無いですか?」と聞かれたが「いろいろ悪くて、逆に良いところが無いんですわ」と言って笑った。
動物性食材を一切使わずにケーキやクリームが食べられるのは驚きだ。
メニューについてはお店のホームページやインスタグラムを見てもらった方が良いだろうが、私が食べた一部を紹介する。
まぁヴィーガン食を始めたばかりの頃はまだヴィーガンの効果について知らなかったわけで、先入観もなく1週間くらい継続していたら体調があきらかに良くなった。何故なのか知りたくなってヴィーガンについて調べて行く事になる。
4.糖尿病治療を振り返る(食事の事)
糖尿病になってから食事は気を付けていたつもりだった。だが病院の栄養指導の通りには出来ていない。
先日も病院で栄養指導を受けたが、腎臓が悪くなっている状態なので食事制限が厳しくなった。
・カロリーは1日 1800kcal以内
・塩分は1日 6g以内
・たんぱく質は1日 50g以内
との事だが、これを継続することが出来るのだろうか…
人は他人の食生活がどのようなものかを知らない。食事会や飲み会で「この人は揚げ物が好きだなぁ」とか「肉が好きなんだな」とか思うことはあっても、毎日毎食の食事が偏っているのかはわからない。
実際に私は糖質を控えた食生活は送っていたが、カロリー制限は守れていなかった。
ちなみに私の友人の女性は、旦那さんの糖尿病の栄養指導を守って食事を作っても、隠れて煎餅などを食べていて糖尿病が良くならないと怒っていたが、私には旦那さんの気持ちがわかる(笑)
まず私のこれまでの思考回路は、以下の4点かと思う。
1.自分の体は元々強い
学生時代は運動も激しくしていたし、骨折などの大きな怪我もした事がない。自分の肉体は強いと思っていた。
2.肉を食べない男は軟弱
歳を取ると「最近 肉を食べると胃の具合が悪い」と言う人が増える。そういう人の前で自分は肉をこれ見よがしに食べていた。そしてそれが強さの証だと思っていた。
3.糖尿病は糖質を控える事が最重要
ジュースは甘い物は飲まない。チョコレートやケーキ、大福なども絶対に食べない。
4.たんぱく質は取っても大丈夫
お腹が空いたら「サラダチキン」を食べるとか、手軽な蛋白質を心掛けていた。プロテインなどの人工的な食品は一時期飲んでいたが、糖分も入っているのでやめた。プロテインは筋トレする人向けだろうなと思っていたのもあるし・・・。
そして私は薬を飲んでいれば合併症にはならないと思っていた。だから入院食のような少量の食事を一生続けろと言われたら「それなら死んだ方がマシだ」と食事を作ってくれている人の気持ちを逆撫でするような事を言ってしまう(世の中の男性は反省すべし)
そして、炭水化物や糖質を抑える代わりに蛋白質を多く取ろうとしていた。いわゆる「低糖質高蛋白」の食事をしていた。
ちなみに情報の出所は定かではないが、人間は蛋白質の摂取量が不足すると、自分の筋肉を溶かして補うようになっているらしい。だから蛋白質が不足すると筋肉が落ちる。逆に充分な蛋白質量を摂取していれば運動をしなくても筋肉量は落ちないと聞いた事がある。
(筋肉を増やすためには運動が必要)
まぁそういうことで、ここ5年くらいの食事を振り返る。
【これまでの食事の振り返り】
1.朝食
食べたり食べなかったりであるが、食べるときは「ベーコンエッグ(卵3つ)」「カットレタス(1袋)」「ロールパン2個」「牛乳(500ml)」
というのが定番で、週4~5日はこのような朝食であった。
2.昼食
ご飯はカロリーが高いので朝食の有無で少な目に調整するなど控えるようにしていた。
だが、ほとんどが外食。
「豚肉の生姜焼定食」「唐揚げ定食」「チキンステーキ定食」「チキンカツ定食」「ハンバーグ定食(ダブル)」「カツ丼」「牛丼(頭大盛)」「麻婆豆腐定食(餃子ダブル)」「丸亀製麺では麺1玉だが鳥の柏天2本、野菜かき揚げ」「すたどんでは肉増し」
という感じ。
私はあまりラーメンは食べない。炭水化物と蛋白質のバランスで見ると蛋白質が少なく思えているからだ。年に数回ラーメンを食べるが、その時は必ずチャーシューを多めにトッピングする。
野菜は定食の付き合わせのサラダだけ。
3.夕食
上記の昼食のレパートリーの中から、昼食で食べていない物を選択する。野菜はやはりサラダだけ。
また、週に数回は飲み会が夕食になる。その時は魚も意識して摂取するが、圧倒的に魚は少ない。
飲酒する場合はご飯や麺やパンを食べない。だから炭水化物は朝と昼に主に摂取していた。
「刺身」「寿司」「焼き鳥」「焼き肉」「ホッケの塩焼き」「サバ塩焼き」「サンマの塩焼き(最近無いなぁ)」「魚の煮付け」
たまに「うな重」や「ステーキ」を食べた。
こう振り返ると塩分も多そうだが、本当に食事に気を遣ってたのか?と思われるだろうが、冒頭でも書いたが人は他人の食生活を知らないので、これが「普通の人の食事メニュー」だと思っていた。
だって、外食だとランチメニューやコンビニ弁当では炭水化物はもっと多いかも知れないけれど、野菜のバランスはこんなものでしょう。
一応、サラダはドレッシングを使わないとか、トンカツを食べる時はキャベツを3回はおかわりしたりする等の配慮はしていたが結局、炭水化物は控えていても一向に糖尿病の数値は良くならない。そしてだから薬が手放せない。
私としては炭水化物や糖質を控える方向にしか対策の目を向けていなかったのである。
酒は糖質の少ない焼酎やホッピーにしていたが、そういう事で「やった気」になっていたのである。
そう、「やった気になっていた」というのが適切な表現かと思う。炭水化物や糖質は我慢していたから、「やってる気」になっていたのだ。
そして「食事を気にしているのに糖尿病が改善しない」と治療を疑い、「病院に行っても改善しない」という考えになり、通院も行かなくなったりするのである…
そして50歳を境に合併症を発症するまでになるが、自分では「食事に気を遣っていた気」になっていたので万策尽きたかと諦めていた時、ヴィーガンに出会うのである。
その話はまた後で…
3.糖尿病治療を振り返る (血液検査の数値)
私は糖尿病の状態の格付けで言えば「永世名人」級の医者泣かせの問題児であった。幸いにして腎臓透析や失明や足切断、心筋梗塞などには至っていないが、ギリギリ助かっていただけである。
前回の記事で、クレアチニンの数値やeGFRの数値の事を書いたが、糖尿病における数値は血糖値とヘモグロビンA1cを気にする必要がある。このブログを見る人はご本人が糖尿病や通風などの成人病だったり、大切な家族や恋人がそうであるかも知れない。
今回は、私が今までどの数値がどれほど悪く、それらが長い期間悪かった結果、自分の様な合併症に至ったのかを書こうと思う。
おそらく多くの人には参考にならない数値で「自分はこんなには悪くないから大丈夫」と考える人が多いと思うが、この数値を記載する理由は、糖尿病の問題が糖質やカロリーの取り過ぎではなく、低糖質高蛋白を意識して取りすぎた動物性食品にあった事を伝えたい。
そしてこのような数値をご自分の数値と見比べて改善計画を立てるきっかけになれば嬉しい。
(3).血液検査で分かる数値のお話
1.血糖値(正常値:90~110mg)
健康診断では朝食を抜いて来るように言われるはずである。簡易的に糖尿病やその予備軍を検出するのには空腹時の血糖値が良く使われる。簡易的というのは、測定器で自分でも計れるものだからである。
正常値は90~110(mg/dl)で、この数値より高い場合に、朝食を抜いて検査していないかも知れないので再検査となり、ヘモグロビンA1cの値を検査することになるだろう。
私が入院する羽目になった際の空腹時血糖値は580mgである。
ちなみに血糖値は低い方が危険である。低血糖と呼ばれるその状態は、酷い場合は命に関わる。
人間の体は全ての数値が低く過ぎても高く過ぎても病気になるという面倒な生き物である。
また、食事をすると血糖値は上昇する。細胞や筋肉は糖を必要とする為、食事はとても大切である。
糖はそのままでは細胞に吸収されない。膵臓からインスリンというホルモンが分泌され、それと結合する事により細胞へ吸収する事ができる。
糖尿病は生活習慣病である2型と、先天的な疾患である1型があるが、生活習慣病としての2型は食生活を見直せば治ると言われているが、なぜこんなに年々患者が増えるのか・・・。と疑問に思う事もあるが、それは後ほど。
2.ヘモグロビンA1C(HbA1c) (正常値:4.6~6.2%)
先ほどの簡易的な検査(空腹時の血糖値)で範囲外になった人はこの数値を確認する事になる。糖尿病患者は主にこの数値を気にしている。懇親会などで糖尿病の諸先輩方に会うと「いまエーワンシーいくつ?」と挨拶変わりに聞かれるくらい他人と比べたがる(笑)
このHbA1cは過去1~2ヶ月間の血糖値の状態を示している。食事を取れば血糖値は上昇するので、定点観測では血糖値の状態は正確には分からないので、このHbA1cで見ていくのである。この数値が高い場合は長期間血糖値が高かった事を示す。
糖尿病の諸先輩方の話を聞いても、この数値の理解は以下のようである。
(1)HbA1c 6.3~7.5
まぁ気を付けなよ。あまり食べすぎないように
(2)HbA1c 7.6~8.5
良くないねぇ。次回の検査ではもっと下がってるように努力しないとね
(3)HbA1c 8.6~9.5
いやぁ全然駄目だね。血糖値気にしてるの?あんま糖尿病を甘くみない方が良いよ
この辺りから糖尿病の治療薬やインスリン注射が始まる
(4)HbA1c 9.6~10.5
病院でも入院を促される。しかしそもそも食事を気にすれば良いだけなので、入院しても一時的に下がるだけで根本解決にならないので、病院も入院には消極的であり、「このままだと死ぬよ」とだいぶ脅かされる。だがこの数値を出す人はそもそも糖尿病を甘く見ている。
他の人は合併症になっても、自分だけはならないと思うように、完全に正常性バイアスの思考になっている人がそうなる。
(5)HbA1c 10.6以上
真剣に入院して一度徹底的に数値を下げる事を推奨される。インスリン注射も2種類使い、毎食後にも打つ事になる。
ちなみに私の1回目の入院時はHbA1cは11.8だった。
これについては面白い話がある。懇親会で会った同業者さんがHbA1cが12.3で入院して、もうこりごりだったと言うので、私は「負けた。その数値はなかなか出せない。悔しい」と言ったら、「いやいやそのライバル視はいかんですよ」と笑った。
その人もその懇親会では普通にふるまっていたし、そういう数値が出てもなんとかなるんだと思ったら、どうせなら誰も出した事のない数値を出してみたいという気持ちになった。正直、12を超える数値を出すのは簡単ではないのだから・・・。
そしてその5年後に2回目の入院になった際は13.6という数値を出した。今の所私の最高記録である。私の身の回りでは13を超えた人はいない。私は「勝った」と思ったバカである(何に?)。
ちなみにその入院の際の栄耀指導で、先生が「過去にHbA1cが17越えという数値で入院した人がいた」と言っていた。それを聞いた時にまた闘争心に火がついた。上には上がいるものだ。まだまだ13.6くらいで勝った気でいてはいけないと思った瞬間、先生はこういった。「その人はじきに死んでしまったんですよね」と・・・
やっぱ13.6で十分満足だ。これ以上の数値は危険だ。(というかこの時点でもかなり危険なんだけど)
ところでこの10年間、私のHbA1cは大体(2)と(3)の7.6~9.5を行ったり来たりしていた。長らく数値が改善しないと通院の意欲も無くなる訳で、そうすると気付けばHbA1cが13越えの数値を出して再度入院する事になる。まだ40代の年齢だったから体も耐えていたのだろう。50歳を境に(2)や(3)の数値ではいろいろな箇所が悪くなった。
3.クレアチニン (正常値:0.6~1.09mg/dl)
腎臓の状態をこれで調べる。クレアチニンは筋肉を動かすと発生する物質で血中には不要であるため、腎臓でろ過されて尿に排出される。
この数値が高い場合、腎臓のろ過機能が悪くなっていると考えられる為に、糖尿病含め、成人病の患者はクレアチニンを調べる必要がある。前述のeGFRはこのクレアチニン数値と年齢と性別から算出される。
なのでまずこのクレアチニンを注力する必要がある。
この2~3年、私のクレアチニン数値は1.6~1.8付近であった。(一時期2.3まで上がった)が、加齢と共にeGFRの数値は悪くなり、腎機能は良くない。
というか、この数値ではとても危険である。正常値の幅がとても狭く、1.0を超えると一気に悪くなるようだ。
正直、この数値を良くする方法はまだ分からない。これ以上悪くならないように気を付けるしかない。
4.eGFR (推算糸球体ろ過量:正常値は90以上)
腎臓の中の糸球体が1分間にろ過している血液の量のことで、「年齢」「性別」「クレアチニン値」から計算されるとの事。
検査結果でこの数値が表示されていない場合は、前述の「クレアチニン」の数値が分かれば自分で計算する事もできる。
計算式の仕様上、加齢と共にeGFRの数値は悪くなるので、基本的にはクレアチニンを気にしていれば良い事になる。
ちなみに私の場合は現在のクレアチニンが1.88で52歳なので、eGFRは31.3となる。
この数値は目安として見るものなので、単純に腎臓のろ過機能がどのくらいあるかと思えばよろしいらしい。
つまり私の場合の腎臓機能は31.3%だと考えれば良いと言われた。これ以上悪くなると透析になってしまうだろう。
5.BNP(心不全マーカー:正常値は18.4pg/ml以下)
心不全を経験した方は、BNPかNT-proBNPの数値を観察していく事になる。
どちらの検査値でも心不全の状態は計れるのだが、数値の桁が異なるので同じ比較はできない。
私の場合、最初の心不全で入院した際はNT-proBNPの数値が1600になっていた。
最初のステントを6本入れた後はBNPで計っていたので、単純な比較は出来ないが、退院1ヶ月後はBNPが19.9pg/mlとなり改善した。そしてその後は4.0~5.6付近である。2回目のステント手術の前に12.9に上がっているなっているが正常値の範囲なので、これだけでは心不全の症状は見えないという事かも知れない。
実際に、2回目の検査はこのBNPでは心不全を見つけられていなく、RI検査で異常が見つかり、カテーテル検査をすると2箇所の狭窄が見つかった。うち1ヵ所は90%塞がっていたという事で、あと10%塞がったら心筋梗塞になるところだった。
なので定期的にRI検査かカテーテル検査をしなければいけないだろうと思う。
6.TG(中性脂肪)(正常値:60~150mg/dl)
この中性脂肪は、あまり病院では気にしていないのだが、私の場合はこれを改善する事により糖尿病の数値が改善した。
初回の入院時は1500を超える数値が出た2か月後にHbA1cの数値が11.8になった。
今まで病院ではこの数値は「前日の食事の内容が影響する」と言い、あまり気にしていないので私も気にしていなかった。
ところが後に分かるが、この数値と血糖値(HbA1c)には相関関係がある事がわかった。
つまり「糖質制限」よりも、「中性脂肪」と「コレステロール」を下げる事で糖尿病が改善したのである。
肥満は万病の元と言われているが、これほど相関関係のあるものだったとは驚きだった。
現在は191mg/dlに下がったがまだ高いので改善の余地がある。
7.その他の検査項目について
肝臓に関する検査項目は数種類取っている(アルブミン、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-
GTP)については、私の場合どれも正常値範囲内であるので、今の所は気にしていない。
血液検査の結果で基準値範囲外になっている人は、私とは異なる視点で自分の体を見つめて欲しい。
やはり、数字はとても大事だ。