8.なぜヴィーガンで糖尿病が改善するのかを考える(2)
前回からの続きです。
もうひとつ、私が影響を受けた映画に「what the health」というドキュメンタリー映画がある。
これも今はNetFlixで見ることが出来るのだが、動物性食品と糖尿病との関係についてピンポイントで切り取られた部分がYoutubeに上がっていたので貼っておく。
ようするに、動物性の脂が血管の内側や細胞壁に膜を張り、糖が細胞へ入り込む事を阻害するという。結果的に細胞に入れなかった糖は血中に残り高血糖の状態になるという。
私はこの事について半信半疑だった。何故ならそんな事は今まで聞いた事が無いし、医者からも聞かされていない。
確かに今まで「中性脂肪」や「コレステロール」は高かったが、病院ではこの数値は気にされなかった。
振り返れば、5年前に中性脂肪が1560という時があったが、その2ヶ月後の検査でHbA1cが13.6になった。そして入院するわけだが、退院後の中性脂肪の値はいつも300~350くらいで高い。(正常値は150以下)
だがこの時は病院では糖尿病との関係性があるという結論には至っていない。「中性脂肪は前日の食事が影響するからね」とあまり注意されない。一応、高脂血症を緩和する薬「リバロ」を処方して終わり。
だがこの映画の話が本当なら、糖質制限をしていても血糖値(ヘモグロビンA1C)が良くならなかった原因は、動物性食品だという事になる。
また繰り返してしまうが、人は他人の食生活の詳細までわからない。
今までの栄養指導では「生姜焼定食」や「ハムエッグ」とカレンダーに食事内容を記載して渡していてもご飯は多くを食べていなければ糖質制限できていると私も病院も思っていた。一応私は「蛋白質は気にして多く摂取するように心がけている」というと、病院からは腎臓の為には蛋白質は取りすぎない方が良いとか、野菜をもっと取るように とは言うが、一度にあれもこれもは出来ないわけで、腎臓はまだ危険な状態ではないのだから「まずは血糖値をさげよう」となり、今までの食生活をしていた。
だがこの映画の話が事実なら、制限すべきは動物性食材である。
この「動物性食品を食べることで血管や細胞に膜を張り…」の話は糖質だけではなく、塩分やプリン体でも同じ作用が起きるだろう。本来ならば細胞に運ばれるべき栄養素が行き場を無くし、血中に漂い続けて内臓や血管にダメージを与える。
つまり高血圧や通風の原因も動物性食材なのかも知れない。
卵とかバターやチーズなどの乳製品も駄目だ…
こうして私はヴィーガンを実践することを決意し、そしてに3ヶ月でHbA1cを6.0にまで下げることに成功するのである。
このHbA1Cというのは意外にやっかいで、食生活を変えてもすぐに数値に現れず、2ヶ月後に現れる。だからヴィーガンを始めてもすぐには結果が出ない。最低でも2ヶ月は結果が出るまでかかる。
だが中性脂肪やコレステロールの数値は前日の食事が影響するくらい即時である。
ちなみに中性脂肪が1500以上になるのに、では前日にどれほど肉を食べたのかと疑問に思うかも知れないが、毎日消化して下がるものが下がりきっていなくて、その状態で食事を取って上がると積みあがる。これは何でもそうである。血糖値や血圧も前日の未消化分が繰り越されて積みあがると高くなる。
私はどうもアバウトな話が嫌いである。糖質をなんグラム以内とか塩分をなんグラム以内とかカロリーをなんkcal以内とか言われても、1ミリも狂いなく計れない事をやりきることは出来ない性格である。
「糖分のあるものは飲み食いしない」という割り切った事が好きである。だってチョコレートやケーキは食べなくても生きていける。
そういう性格なので今度は徹底的に動物性食材をやめてみた。
前回の記事にも書いたが、「The Game Changers」の映画の話も本当ならば、動物性の食品を摂取しなくても強いアスリートになれるのだから動物性食品は不要だ。
パンを買うときも原材料にバターや牛乳が入っていない物を選び、出汁も鰹節やイリコでさえも拒絶した。
こうして私の細胞壁に付いた脂は、まるで油ぎったスポンジを洗剤でシュコシュコと洗うように次第に落ちていき、体調も良くなった。
上記の図は正確ではないが、だいたいこのようなバランスだろうと思って書いた。
一応、蛋白質の色は動物性と植物性で色の濃さを変えて表現している。
たんぱく質は植物性で摂取し、野菜は葉物、根菜、ナスやキュウリなどの「なり物」、ネギ類、芋類、キノコ類、ナッツ類(ピーナッツ、アーモンド、くるみ、カシューナッツ)、海藻(ひじき、昆布、ワカメ)、アボカドなどスーパーで旬な食材を買い、和食を中心に、たまにパスタや大豆ミートを使ったサンドイッチ等を食した。
油も植物性ならOKだし、炭水化物や糖質は普通に食べた。
ケーキやシュークリームは乳製品が入っているので拒絶したが、大福や草餅は(糖尿病では本来NG)、念のために原材料にバターなどが入っていない事を確認した上で食べた。
余談だが、塩分を気にしてラーメンのスープを飲まない人が多いが、ラーメンは店主がスープにこだわって作っているのに失礼な話だと思う。
スープを飲まないのであれば、そもそもラーメンを食べない方が良いと思う。
例えば、ヴィーガンでも「煮物」について塩分を気にしていたとしても、つゆまで飲み干すのかどうかによって摂取する塩分量は異なるし、この1回の食事で鍋から取り出したこの煮物にどれだけ塩分が入っているのかなんて正確には分からない。
だから減塩醤油とか気休めで「やってる感」で過ごしてしまう。頑張ってるのに良くならないのは、向いている方向が違うと考えた方が良い。
食べるか食べないかという方が分かりやすい。ここまでは食べて良いとというような1ミリ単位で線引きできないアバウトなのは私には続ける事が難しい。
つまり、動物性を一切食べないというヴィーガンの方が思考は簡単なのである。
けれど私ほど、糖尿病をこじらせた人間でなければ、週に1度くらいはラーメンのスープまで飲み干しても良いんじゃないかと思う。
だって毎日3食 食べるとしたら、週に21食あるんです。1回くらい無茶しても、それは総量の5%以下の無茶なんですよ。
皆さんは自分の体調をみながら試しても良いと思うけれど、一度でもヴィーガンの効果が数値で見えると、動物性を食べる気がなくなると思うけどなぁ。
私のこの結果は事実なんです。
運動した訳でもなく、本当に動物性食品を食べなかっただけで改善したのだから。