ヴィーガン@糖尿病の記録

ヴィーガンで糖尿病が治った記録

3.糖尿病治療を振り返る (血液検査の数値)

私は糖尿病の状態の格付けで言えば「永世名人」級の医者泣かせの問題児であった。幸いにして腎臓透析や失明や足切断、心筋梗塞などには至っていないが、ギリギリ助かっていただけである。

 

前回の記事で、クレアチニンの数値やeGFRの数値の事を書いたが、糖尿病における数値は血糖値とヘモグロビンA1cを気にする必要がある。このブログを見る人はご本人が糖尿病や通風などの成人病だったり、大切な家族や恋人がそうであるかも知れない。

今回は、私が今までどの数値がどれほど悪く、それらが長い期間悪かった結果、自分の様な合併症に至ったのかを書こうと思う。

 

おそらく多くの人には参考にならない数値で「自分はこんなには悪くないから大丈夫」と考える人が多いと思うが、この数値を記載する理由は、糖尿病の問題が糖質やカロリーの取り過ぎではなく、低糖質高蛋白を意識して取りすぎた動物性食品にあった事を伝えたい。

そしてこのような数値をご自分の数値と見比べて改善計画を立てるきっかけになれば嬉しい。

 

(3).血液検査で分かる数値のお話

1.血糖値(正常値:90~110mg)

 健康診断では朝食を抜いて来るように言われるはずである。簡易的に糖尿病やその予備軍を検出するのには空腹時の血糖値が良く使われる。簡易的というのは、測定器で自分でも計れるものだからである。

正常値は90~110(mg/dl)で、この数値より高い場合に、朝食を抜いて検査していないかも知れないので再検査となり、ヘモグロビンA1cの値を検査することになるだろう。

私が入院する羽目になった際の空腹時血糖値は580mgである。

ちなみに血糖値は低い方が危険である。低血糖と呼ばれるその状態は、酷い場合は命に関わる。

人間の体は全ての数値が低く過ぎても高く過ぎても病気になるという面倒な生き物である。

また、食事をすると血糖値は上昇する。細胞や筋肉は糖を必要とする為、食事はとても大切である。

糖はそのままでは細胞に吸収されない。膵臓からインスリンというホルモンが分泌され、それと結合する事により細胞へ吸収する事ができる。

糖尿病は生活習慣病である2型と、先天的な疾患である1型があるが、生活習慣病としての2型は食生活を見直せば治ると言われているが、なぜこんなに年々患者が増えるのか・・・。と疑問に思う事もあるが、それは後ほど。

 

2.ヘモグロビンA1C(HbA1c) (正常値:4.6~6.2%)

 先ほどの簡易的な検査(空腹時の血糖値)で範囲外になった人はこの数値を確認する事になる。糖尿病患者は主にこの数値を気にしている。懇親会などで糖尿病の諸先輩方に会うと「いまエーワンシーいくつ?」と挨拶変わりに聞かれるくらい他人と比べたがる(笑)

このHbA1cは過去1~2ヶ月間の血糖値の状態を示している。食事を取れば血糖値は上昇するので、定点観測では血糖値の状態は正確には分からないので、このHbA1cで見ていくのである。この数値が高い場合は長期間血糖値が高かった事を示す。

糖尿病の諸先輩方の話を聞いても、この数値の理解は以下のようである。

 (1)HbA1c 6.3~7.5

 まぁ気を付けなよ。あまり食べすぎないように

 (2)HbA1c 7.6~8.5

 良くないねぇ。次回の検査ではもっと下がってるように努力しないとね

 (3)HbA1c 8.6~9.5

 いやぁ全然駄目だね。血糖値気にしてるの?あんま糖尿病を甘くみない方が良いよ

 この辺りから糖尿病の治療薬やインスリン注射が始まる

 (4)HbA1c 9.6~10.5

 病院でも入院を促される。しかしそもそも食事を気にすれば良いだけなので、入院しても一時的に下がるだけで根本解決にならないので、病院も入院には消極的であり、「このままだと死ぬよ」とだいぶ脅かされる。だがこの数値を出す人はそもそも糖尿病を甘く見ている。

他の人は合併症になっても、自分だけはならないと思うように、完全に正常性バイアスの思考になっている人がそうなる。

 (5)HbA1c 10.6以上

 真剣に入院して一度徹底的に数値を下げる事を推奨される。インスリン注射も2種類使い、毎食後にも打つ事になる。

ちなみに私の1回目の入院時はHbA1cは11.8だった。

これについては面白い話がある。懇親会で会った同業者さんがHbA1cが12.3で入院して、もうこりごりだったと言うので、私は「負けた。その数値はなかなか出せない。悔しい」と言ったら、「いやいやそのライバル視はいかんですよ」と笑った。

その人もその懇親会では普通にふるまっていたし、そういう数値が出てもなんとかなるんだと思ったら、どうせなら誰も出した事のない数値を出してみたいという気持ちになった。正直、12を超える数値を出すのは簡単ではないのだから・・・。

そしてその5年後に2回目の入院になった際は13.6という数値を出した。今の所私の最高記録である。私の身の回りでは13を超えた人はいない。私は「勝った」と思ったバカである(何に?)。

ちなみにその入院の際の栄耀指導で、先生が「過去にHbA1cが17越えという数値で入院した人がいた」と言っていた。それを聞いた時にまた闘争心に火がついた。上には上がいるものだ。まだまだ13.6くらいで勝った気でいてはいけないと思った瞬間、先生はこういった。「その人はじきに死んでしまったんですよね」と・・・

やっぱ13.6で十分満足だ。これ以上の数値は危険だ。(というかこの時点でもかなり危険なんだけど)

 

ところでこの10年間、私のHbA1cは大体(2)と(3)の7.6~9.5を行ったり来たりしていた。長らく数値が改善しないと通院の意欲も無くなる訳で、そうすると気付けばHbA1cが13越えの数値を出して再度入院する事になる。まだ40代の年齢だったから体も耐えていたのだろう。50歳を境に(2)や(3)の数値ではいろいろな箇所が悪くなった。

 

3.クレアチニン (正常値:0.6~1.09mg/dl)

 腎臓の状態をこれで調べる。クレアチニンは筋肉を動かすと発生する物質で血中には不要であるため、腎臓でろ過されて尿に排出される。

この数値が高い場合、腎臓のろ過機能が悪くなっていると考えられる為に、糖尿病含め、成人病の患者はクレアチニンを調べる必要がある。前述のeGFRはこのクレアチニン数値と年齢と性別から算出される。

なのでまずこのクレアチニンを注力する必要がある。

この2~3年、私のクレアチニン数値は1.6~1.8付近であった。(一時期2.3まで上がった)が、加齢と共にeGFRの数値は悪くなり、腎機能は良くない。

というか、この数値ではとても危険である。正常値の幅がとても狭く、1.0を超えると一気に悪くなるようだ。

正直、この数値を良くする方法はまだ分からない。これ以上悪くならないように気を付けるしかない。

 

4.eGFR (推算糸球体ろ過量:正常値は90以上)

 腎臓の中の糸球体が1分間にろ過している血液の量のことで、「年齢」「性別」「クレアチニン値」から計算されるとの事。

検査結果でこの数値が表示されていない場合は、前述の「クレアチニン」の数値が分かれば自分で計算する事もできる。

計算式の仕様上、加齢と共にeGFRの数値は悪くなるので、基本的にはクレアチニンを気にしていれば良い事になる。

ちなみに私の場合は現在のクレアチニンが1.88で52歳なので、eGFRは31.3となる。

この数値は目安として見るものなので、単純に腎臓のろ過機能がどのくらいあるかと思えばよろしいらしい。

つまり私の場合の腎臓機能は31.3%だと考えれば良いと言われた。これ以上悪くなると透析になってしまうだろう。

 

5.BNP心不全マーカー:正常値は18.4pg/ml以下)

 心不全を経験した方は、BNPかNT-proBNPの数値を観察していく事になる。

どちらの検査値でも心不全の状態は計れるのだが、数値の桁が異なるので同じ比較はできない。

私の場合、最初の心不全で入院した際はNT-proBNPの数値が1600になっていた。

最初のステントを6本入れた後はBNPで計っていたので、単純な比較は出来ないが、退院1ヶ月後はBNPが19.9pg/mlとなり改善した。そしてその後は4.0~5.6付近である。2回目のステント手術の前に12.9に上がっているなっているが正常値の範囲なので、これだけでは心不全の症状は見えないという事かも知れない。

実際に、2回目の検査はこのBNPでは心不全を見つけられていなく、RI検査で異常が見つかり、カテーテル検査をすると2箇所の狭窄が見つかった。うち1ヵ所は90%塞がっていたという事で、あと10%塞がったら心筋梗塞になるところだった。

なので定期的にRI検査かカテーテル検査をしなければいけないだろうと思う。

 

6.TG(中性脂肪)(正常値:60~150mg/dl)

 この中性脂肪は、あまり病院では気にしていないのだが、私の場合はこれを改善する事により糖尿病の数値が改善した。

初回の入院時は1500を超える数値が出た2か月後にHbA1cの数値が11.8になった。

今まで病院ではこの数値は「前日の食事の内容が影響する」と言い、あまり気にしていないので私も気にしていなかった。

ところが後に分かるが、この数値と血糖値(HbA1c)には相関関係がある事がわかった。

つまり「糖質制限」よりも、「中性脂肪」と「コレステロール」を下げる事で糖尿病が改善したのである。

肥満は万病の元と言われているが、これほど相関関係のあるものだったとは驚きだった。

現在は191mg/dlに下がったがまだ高いので改善の余地がある。

 

7.その他の検査項目について

 肝臓に関する検査項目は数種類取っている(アルブミン、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-
GTP)については、私の場合どれも正常値範囲内であるので、今の所は気にしていない。

血液検査の結果で基準値範囲外になっている人は、私とは異なる視点で自分の体を見つめて欲しい。

 

やはり、数字はとても大事だ。